生地と乾燥

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20130315読書記録 -キャリア官僚の交渉術

キャリア官僚の交渉術 (アスコムBOOKS)

キャリア官僚の交渉術 (アスコムBOOKS)

 

面白そうに思って手にとったが、仕事術を学ぶ側面は期待していたよりも薄く、霞ヶ関の事務方の内情を簡単にうかがい知るという感じ。前半は力が入っていてよいかも。これくらいの注力が全体に渡っているといい本になったのでは。

また、陸前高田市の政治について、あまりよろしくない話を聞く機会が重なった時期に読んだことも、いい評価をしづらくなったことにつながっているかも。

 

序章 「交渉」とは、今と未来をつなぐもの

最も難しく、最も面白い仕事

人との関わりこそ、仕事の醍醐味

交渉とは機械的なやりとりなのか

仕事はすべて交渉事である

交渉の基本は相手の興味をさぐること

相手が喜ぶことをして心から納得してもらうことが、交渉を成功させるための本質。Win-Winスタイルを基本とするべき。

相手の話をよく聞くことが大事。

交渉で有利なのは先攻か後攻か。→後攻。忍耐強く話を聞くこと。相手の強い関心事項を把握し、妥協したふりをして、交渉を有利に進める。

相手の望む話題を持ち出す。

交渉は未来を作るためのもの。

 

第一章 霞ヶ関流相手を思うように説得する8つのテクニック

テクニック1  交渉しないことこそ最善の道である

テクニック2  世間話をするかのごとく話す。普段が相手方の信頼を十分に得ておくこと。相手の興味にそった資料をこまめに差し入れるなど。

テクニック3  説得したければストーリーを語れ

それが何の役に立つのかを具体例やストーリーで説明した方が共感してもらいやすい。

テクニック4 相手によって説明の仕方を変えろ

相手を日頃から観察してタイプを見極める。

テクニック5  忙しい相手には一枚のポンチ絵で説明する

MECEで重要な事項だけにかぎる。

テクニック6  100点を目指さず落としどころをさぐる。

テクニック7  有利に進めたければ第三者を巻き込め

テクニック8  決裂して困るのはどちらか考える

BATNA(best alternative to a negotiated agreement)を用意しておくのは大事だが、そもそも交渉が決裂して困る側は不利。

 

第二章 なぜ大物政治家を三分で説得できてしまうのか

最初の三十秒で「つかむ」には、地元のデータ。

 

第三章 ダメな上司の対処法

相手のタイプを見極めて準備する。

資料を読む目の動きで気になるポイントを見抜く。

枝葉末節ではなく基本的な考え方を示す。

相手の立場に立った説明をする。

これはと思った上司とは関係を維持する。

 

第四章 ダメな部下の対処法

部下をマネジメントするのではなく仕事をマネジメントする。

ひとりの人間として信頼する。

 

第五章 交渉上手のコミュニケーション術

件名に相手の名前、一行目に相手への感謝。

多忙な相手とのやりとりはすでに頭に中においておく。

スピーチはお礼でサンドイッチして作る。

優秀な学生は多くを喋らず、相手の興味を探って答える。

立場ではなく利害を考える。

相手から人脈を築きたい思われる人になること。

 

第六章 財務省との交渉

財務省の事情を勘案して交渉する。

 

第七章 一般市民が行政を動かすには

予算編成の都合上、6月には認識を持ってもらう。

場合や自身の立場などに応じて行政、政治のそれぞれのルートを活用する。