生地と乾燥

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20130211読書記録 -経営論語 渋沢流・仕事と生き方

現代語訳 経営論語―渋沢流・仕事と生き方

現代語訳 経営論語―渋沢流・仕事と生き方

ドラッカーも、経営の社会的責任に関して大家と認める渋沢栄一の書。久しぶりに名著と感じながら読む。幕末好きなので、西郷、木戸、大久保の維新三傑はもちろん、岩崎弥太郎伊藤博文などとの交流が出てくると、本に入り込むようにして読んでいる。坂本龍馬も、一箇所だけ出てくる。

 

内容としても、高潔さ、治国平天下などを重視する論語にかかるもので、自分としては、すごく腹に落ちる。図書館で借りて読んだが、手元に置くべく購入も検討したい。

 

以下、記録しておきたい言葉。

  • 偉大なる平凡。非凡の長所がなく一つの欠点もない。
  • 礼の礼たる要は、社会全般にわたって秩序を維持すること。
  • 争いこそ進歩の源泉、礼儀正しく行う争い。敵国外患なき者は国恒に滅ぶ。克己復礼の礎。争いを避ければ卑屈に流れる。気長に時節の到来を待つことも忘れてはならない。
  • 人物を見抜く基準。「初見の時に相すれば人多く違わじ」。視(外形をみる)・観(心眼でみる。動機をみる。)・察(満足するところ、安んずるところをみる。)。もってするところを視、そのよるところを観、その安んずるところを察する。
  • 君子は一技一能に秀でるような器ならず。将に将たる君子。
  • 過失を見て性行を知る。
  • 本当の仁は、自分の徳を立てようとするよりも社会の徳を立て、自分自身が向上進歩するよりも社会を向上進歩させるところにある。
  • 人材を得るには、適材適所の配置、特別な才能の発見、人物の全体の観察。
  • 人間関係の基本は「忠恕」。知らないことは知らないという勇気。下問を恥じず。交際の基礎に敬意を。
  • 巧言令色、鮮(すくな)し仁。剛毅木訥は仁に近し。発(あば)いて直とする、これを暴という。
  • 「三省」すれば記憶力が増す。人のために忠実につくし、友人に対して信義を尽くし、孔子から教えられた道を修めなければならないと、日々省みる。
  • 道に志し、特に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ。
  • 仁は佞(口がうまい)と、誤解されやすい。
  • 成事は説かず、遂事は諫めず、既往は咎めず。
  • 人の生涯を決める時期は晩年である。天意夕陽を重んじ、人間晩晴を貴ぶ。
  • 過去に鑑み、新しい時勢に処す。ただし、先例に拘泥すれば阿附迎合になる。
  • 菜根譚)己が心をくらまさず、人の情を尽くさず、物の力をつくさず、もって天地のために心を立て、生民のために命を立て、子孫のために福をなすべし。
  • 義を見て為さざるは勇なきなり。
  • 子曰く、君子は義に悟り、小人は利に悟る。
  • 奢なれば則ち不遜なり。倹なれば則ち固なり。その不遜ならんよりは、寧ろ固なれ。
  • 孝行とは、子がするのではなく、親が子にさせるのである。
  • 欧米の新しい思想を日本人が取り入れられるか吟味せねばならない。自己中心の世界観、利己主義は日本には会わないと思う。
  • (政治について)子曰く、食を足らし、兵を足らし、民これを信ず。民信なくんば立たず。