20130413 -採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/28
- メディア: Kindle版
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大変、励まされた。大切なモノはリーダーシップ。そのリーダーシップの定義をくり返し丁寧に説明してくれている。自分のなかの言葉で置き換えると、リーダーシップは、当事者意識。自分がやってやろうということ。そして、役割にしばられるべきものではないということは、大変励まされた。自分の業務を考えるに、いわゆる上位職という存在がいるが、大切なことは自らが関わる業務をより円滑に成功に導くことであり、そこに至るために、会社内順位にこだわっていては非効率的になる。もちろん、会社内順位にこだわる者もいるだろうが、それをうまくマネジメントすることもリーダーシップのひとつだと感じた。
この本を読んだことは、自分にとってひとつのターニングポイントになった。業務に対して、強い当事者意識をもって当たれるようになった。
以下、本書からの抜粋。
序:マッキンゼーの採用マネージャーとして
留学生を集めて、世界で働くことが体感できるキャンパスを作る。
- コンサルティングより人材育成システム
- 新しいポジションを自ら設計・提案
第1章 誤解される採用基準
- 人気の高まりと誤解の拡大
誤解その1:ケース面接に関する誤解
どれほど考えることが好きか、どんな考え方をするかを見ている。
誤解その2:”地頭信仰”が招く誤解
思考意欲、思考体力を見ている。
誤解その3:分析が得意な人を求めているという誤解
仮説構築力、提案力の高い人を求めている。
誤解その4:優等生を求めているという誤解
なんでもできるタイプではなく、一部で突出している人(スパイク型)を求 めている。
誤解その5:優秀な日本人を求めているという誤解
マッキンゼーの採用基準は①リーダーシップがあること、②地頭がいいこ と、③英語ができること。
第2章 採用したいのは将来のリーダー
- 問題解決に不可欠なリーダーシップ
リーダーシップがコンサルタントに最も重要なスキル。解決策を検討する段階 から組織の中に入り込んで現場スタッフの信頼を獲得し、最終的な提案について も、様々な部署と調整しながら、組織のルーチンに落としこんでいく力。答えの 質自体を向上する能力。
- リーダーシップは全員に必要。
リーダーとは、「チームの使命を達成するために必要なことをやる人」。
- 将来のリーダーを採用するという戦略
- スクリーニング基準と採用基準
第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
- 成果主義とリーダーシップ
成果を出すためには多数決ではなくてリーダーシップが必要。
- 成果より和を尊ぶ組織
- 救命ボートの漕ぎ手を選ぶ。
性格に難があっても、やってくれそうな人を選ぶはず。その人こそが成果を出 すリーダーと認識されている人。
- 役職(ポジション)とリーダーシップ
外資系では、リーダーシップ(実績)が先で役職が後。
- マネジャー(管理職)、コーディネーター(調整役)
成果を最大化するという目標を必ずしも持っていない。
- 雑用係、世話係
- 命令する人、指示する人
第4章 リーダーがなすべき四つのタスク
- その1:目標を掲げる
達成すべき、メンバーを鼓舞する目標を掲げる。変化を起こす力があることが 重要。
- その2:先頭を走る
一番前で最初に方向性を決めて、後のメンバーを安心して走らせる。
- その3:決める
A bad decision is better than no decision. 情報は常に足りない。そのなかでリス クをとって決めることがリーダーの仕事。
- その4:伝える
繰り返し粘り強く同じ事を語り続ける。
第5章 マッキンゼー流リーダーシップの学び方
- カルチャーショックから学ぶ基本思想
- 基本動作1:バリューを出す
- 基本動作2:ポジションをとる
「あなたの意見は何か」「あなたが意思決定者だとしたら、どう決断するか」 「結論にフォーカスする」
- 基本動作3:自分の仕事のリーダーは自分
- 基本動作4:ホワイトボードの前に立つ
議論のリーダーシップを取る
- できるようになる前にやる
- 自分のリーダーシップスタイルを見つける
第6章 リーダー不足に関する認識不足
- 組織的・制度的な育成システムが必要
- 絶望的な「グローバル人材」という言葉
グローバルスタッフではなく、グローバルリーダーこそ不足している。
- 「優秀な人」の定義の違い
欧米ではリーダーシップ、イニシアティブ、クリエイティビティ、ジャッジメ ントが挙げられる。
日本では専門性が高い、協調性があり組織のルールを守り、迅速に正確な処理 ができる人が優秀と考えられている。
- カリスマリーダーではなく、リーダーシップ・キャパシティ
リーダーシップ・キャパシティとは「日本全体でのリーダーシップの総量」
- 非常時の混乱、財政難の根因となるリーダー不足
第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
リーダーシップ・キャパシティを増やすために、以下の2つのことを理解する必要がある。
①すべての人が日常的に使えるスキルであること
②訓練を積めば、誰でも学べるスキルであること
- あらゆる場面で求められるリーダーシップ
世の中は誰かがまとめるのではなく、一人ひとりがアイディアを出してまわし ていくもの。
- 上司の判断を仰がない若手コンサルタント
- リーダーシップは学べるスキル
- 分散型意思決定システムからの要請
コラム リーダー養成に最適なNPO
終章 リーダーシップで人生のコントロールを握る
- 問題が解決できる
- 成長が実感できる
- 自分の世界観が実現できる
- 世界が広がる
- 変わっていくキャリア意識
過去に積み上げてきたものから離れてゼロベースでキャリアを考えられるよう になる。
- 価値転換機関としてのマッキンゼー
- 広がる世界で人生のコントロールを握る