生地と乾燥

読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする。

20130405読書記録 -私本太平記 帝獄帖

 

後醍醐天皇が立ち上がり、そして敗れるところ。

これまでは、立場を明確にしてこなかった楠木正成足利高氏が、やっと力を見せ始める。記号的な歴史認識しかなかったが、それぞれの人間が浮かび上がってくる。

当時の考え方として理解するには、まだ複数の書籍を読む必要があるとは思うが、ここで描かれている倫理観は、今とは大きく違って興味深い。主従という秩序は、命をかけて守るべきものと位置づけられている。